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足のむくみや慢性静脈不全を防ぐために。弾性ストッキング以上に効果的な「3つの筋肉ポンプ」活用法

Sedentary Behavior(座位行動)とその健康への影響

皆さんは、「sedentary behavior」という言葉をご存知でしょうか?
座位行動と訳され、座位及び臥位におけるエネルギー消費量が1.5Mets以下の全ての覚醒行動と規定されています。
欧米では2000年から座位行動の概念が提唱され、研究が進められてきました。
産業や生活様式の近代化に伴い、座位行動時間は増加し、現在、覚醒時間の約6割を占めるようになってきています。

また、その座位行動時間が長い者は、寿命が短く、肥満度が高く、2型糖尿病罹患率や心臓病罹患率が高いことが分かっています。
2020年にはWHOガイドラインの表紙にsedentary behaviorが取り上げられています。
その座位行動時間、実は日本が断トツのトップなのです。

慢性静脈不全を防ぐ「3つの下肢筋ポンプ」

座位行動の問題の一つとして、動かないので下肢筋ポンプがほとんど働かない、慢性静脈不全に落ち入りやすいというものがあります。
慢性静脈不全で重要な下肢筋ポンプは、実は3つあります。

  1. 足関節の背屈による浅後方コンパートメントの内圧上昇それに伴う下腿静脈還流促進という筋ポンプ
  2. 歩行時の足底圧迫による足底静脈叢の圧迫という筋ポンプ
  3. 趾歩行による前方・外側・深後方コンパートメントの内圧上昇それに伴う下腿深部3静脈の還流促進という筋ポンプがあります。

正しい歩行の重要性と日本の教育課題

  1. は、足首関節を使う
  2. は、踵着地し足底を圧迫する
  3. は、趾歩行をして深部静脈に直接圧迫をする

つまり、趾を利用した正しい歩行、踵から着いて、趾で地面を蹴るが重要となってきます。
この正常歩行は、弾性ストッキングよりポンプ機能が圧倒的にアップしやすいと言われています。
足病学の発展している欧米では、歩き方の授業が4、5歳の時点であるようですが、日本では学校教育で靴の履き方、歩き方の教育がありません。そのため正しい歩行を知りません。
教育がない故の弊害が出ています。

現代日本の歩数状況と運動の推奨

一般的に歩数としては、8,000歩/日、その中20分程度の速歩きが推奨されています。
令和元年で、男性6,700歩、女性5,800歩、平均値は緩やかに減少して来ています。
さらにコロナ禍では劇的に下がっています。
具体的には、リモートワークで1,200歩/日下がります。
皆さん自身もそうですが、患者、家族に脚がむくみ、趾が変形し、正常歩行のできない人を多く見かけないでしょうか?
すぐには歩けない人は、趾、足関節のリハビリ、歩ける人は正常歩行にトライすることをお勧めします。
結局は貯筋が大事です。自分への戒めでもありますが、秋から運動を開始しましょう!

古林圭一