下肢静脈瘤の基礎知識

足が重い・足がだるい・足のむくみなどの慢性静脈不全症と下肢静脈瘤の基本構造

2018.08.09
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医療法人見宜堂 梅田血管外科クリニック -大阪市北区 梅田駅 徒歩6分- 医師 古林 圭一

医師 古林 圭一

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梅田血管外科クリニック

【経歴】
日本脈管学会脈管専門医
日本循環器学会専門医
日本外科学会専門医
腹部大動脈瘤ステントグラフト指導医
胸部大動脈瘤ステントグラフト実施医
血管内レーザー焼灼術実施医・指導医

足が重い・足がだるい・足のむくみなどの症状を感じている方、単なる疲労と甘く見ていませんか? その症状は下肢静脈瘤や慢性静脈不全症からくるものかもしれません。

ここではそれらの病気の原因と、足の血管の基本構造、症状や治療方法などを具体的にまとめました。
これらの疑いがあると思う方はぜひ最後まで読んで適切な治療を受けてください。

血管の基本構造

足の静脈には大きく分けて3種類あります。

・表在静脈…足の表面に近い場所にある、大伏在静脈瘤と小伏在静脈の2本です。

・深部静脈…足の奥深くにある静脈です。

・交通枝…表在静脈と深部静脈を結ぶ役割を持っています。

下肢静脈瘤の原因になるのは上記の3つの部位の全てではありますが、治療対象となるのは表在静脈と交通枝である場合がほとんどです。

静脈瘤は表面に現れ、目立つことによるストレスは大きいものの、静脈瘤自体は結果であって原因ではありません。伏在静脈や交通枝に支障があって静脈が逆流する状況が起こっていることが原因ですから、治療を行うには逆流が起こっている部位を特定し、逆流そのものを止めなければ始まりません。それができれば、静脈瘤に新たに血液が入っていきませんから、表面に現れている静脈瘤は小さくなっていきます。逆流を放置して静脈瘤そのものを取ったり、硬化療法を行ったりしても静脈瘤は再発する可能性が高いので好ましい治療とは言えません。硬化療法や血管内焼灼術を行う際、静脈を閉塞させることを大丈夫なのかご不安になられる方が多くいらっしゃいますが、表在にはいくつもの静脈があって、静脈が閉塞された場合は別の静脈を流れて行くので特に問題はありません。

 

下肢静脈瘤の症状

静脈瘤がある場合以下のような症状が見られます。

  • 足がむくむ
  • 足がだるい
  • 足が痛い
  • 足が重い
  • 足がかゆい
  • 熱感や冷感がある
  • こむら返りがおこりやすい
  • 皮膚が黒ずむ
  • 湿疹
  • 潰瘍

表面に静脈瘤が発生していなくても、静脈の逆流が起こっていれば上記の症状はありますし、初期には強く表れることもあります。

慢性静脈不全と下肢静脈瘤

慢性静脈不全とは、足の静脈の流れが十分でないため、心臓に戻るべき血液の流れが阻害される状態を言います。この血流を阻害する要因は、静脈が閉塞していること、静脈が逆流していること、またはその両方が考えられており、さらにこれらに当てはまらない不明なものもあります。

静脈の閉塞

足を流れる血液の9割は深部静脈を通ります。(表層静脈を流れる血液は残りの1割に過ぎません)つまりこの深部静脈にもし血栓が出来ると、静脈の流れは大きく停滞し、急激に足の腫れが起こります。また、この血栓が肺に移動すると肺塞栓症を起こす可能性があります。これは呼吸困難や吐血のみでなく心肺停止に至ることもありますので予防は非常に重要です。治療は投薬と、足を圧迫して血流を促す方法が用いられます。投薬には血液を固まりにくくして血栓の肥大化を防ぐ抗凝固療法、できてしまった血栓を溶かす血栓溶解療法の二つがあります。圧迫療法は弾性包帯や弾性ストッキングを用いて足に滞留している血液を心臓側に押し上げます。

静脈の逆流

この状態の代表的なものは下肢静脈瘤です。静脈には本来逆流を防止する弁がありますが、それが何らかの理由で機能しなくなると、心臓より物理的に下にある足に血液が滞留します。静脈を流れる血液には老廃物を多く含んでいますから、むくみやだるさ、かゆみや痛みを伴い、外観としては足の表面の血管が浮き上がって見えてきます。進行するとかゆみを伴う湿疹ができ、表面には色素沈着が起こって黒ずんできます。さらに進むと潰瘍ができて皮膚表面がえぐれるような状態に陥ります。治療としては弾性ストッキングを使った圧迫療法や、血管内焼灼術という治療法があります。これは患部の静脈にレーザーや高周波カテーテルを挿入しその静脈を閉塞させて逆流を防ぐ方法です。閉塞された静脈は数か月のうちに周囲の組織に吸収されて消滅します。

静脈の閉塞と逆流

深部静脈血栓症の治療を始めて数か月経つと、本来体に備わっている固まった血液を溶かす作用や、投薬の影響で深部静脈の血栓は溶けていきます。しかし血流は再開しても静脈壁に張り付いた血栓で弁の働きが上手くいかず、逆流が起こることがあります。深部静脈は足の静脈の9割が流れる要所ですから、この逆流で足には大量の停滞が起こります。これを深部静脈血栓後症候群と呼び、状態的には慢性的に足がむくむことになります。この状態になると治療には時間がかかる覚悟をしなければなりません。弾性ストッキングを着用する圧迫療法を長く続ける必要があります。これを怠るとむくみがひどくなり、うっ滞性皮膚炎にかかりやすくなります。状態としては皮膚の状態が色素沈着によって黒ずんでいき、かゆみも起こります。痒いからと言ってかきむしると潰瘍に発展しますから、根気を持って治療を続けましょう。

まとめ

慢性静脈不全症についてまとめました。耳慣れない病気と思った方もここまで読んでいただければご理解いただけたことと思います。 多くの病気がそうであるように、この病気も早い段階で気づいて治療を行った方が、治癒も早く身体へのダメージも少なくて済みます。心配な方は早急に適切な医療機関で検査診断や治療を受けましょう。

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