うっ滞性皮膚炎について

うっ滞性皮膚炎とは

うっ滞から引き起こる皮膚疾患をうっ滞性皮膚炎と言います。カサカサした肌の乾燥やかゆみなど、なかなか治らない皮膚トラブルの原因は血液のうっ滞が影響しているかもしれません。なんらかの理由で静脈の流れが滞り、老廃物を含んだ血液が足に留まり、かゆみや湿疹・むくみ・色素沈着などが現れます。足に汚れた血液が溜まることを静脈うっ滞と言います。さらに病状が進行すると、皮膚が硬くなり、潰瘍ができやすくなります。この状態がうっ滞性皮膚炎で、比較的中高年の女性に多く見られます。

原因

慢性静脈不全によって、足の静脈がうっ血すると毛細血管もうっ血が生じます。次第に、真皮層の毛細血管から微小の出血が起こります。その部位には、ヘモジデリンという血液成分が沈着し、皮膚が褐色となります。足には、老廃物だらけの汚い血液が留まっているため、足の血液循環が悪くなります。皮膚は、この悪循環によって角化細胞がダメージを受けて皮膚がカサカサとなり、バリア機能が壊されてしまいます。すると外の刺激から皮膚を守れずに湿疹やかゆみを生じてしまいます。さらに、痒いに対する掻き壊しやケガの傷が治りにくく、場合によっては傷口が広がり潰瘍にいたることもあります。

検査

超音波検査で静脈うっ滞の有無を調べます。

治療

皮膚の湿疹やかゆみ、皮膚潰瘍の患部に薬を塗っていてもなかなか治らないという方はうっ滞性皮膚炎が疑われます。皮膚の静脈うっ滞が原因で皮膚症状が悪化しているため、原因のもとである静脈うっ滞の治療を行う必要があります。基本的な治療方法は、圧迫療法です。弾性ストッキングや弾性包帯で足を圧迫していきます。足に溜まっていた血液が押し出されます。血液が出るだけでも、むくみや湿疹・かゆみ・皮膚潰瘍の症状が改善できます。また、深部静脈血栓症によって静脈の弁が逆流する場合は、圧迫療法以外に有効な治療方法がないため長期間弾性ストッキングを着用していきます。下肢静脈瘤によって皮膚から見える静脈(表在静脈)が逆流している場合は、レーザー治療、或いは高周波カテーテルによって手術が必要です。静脈の逆流を阻止できれば、湿疹やかゆみ・皮膚潰瘍の症状は改善します。一方、皮膚の色素沈着は、一度出来てしまうとなかなか改善するのが難しいため、出来たら早めに治療を開始してください。

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