下肢静脈瘤の治療

妊婦さんの足のむくみ|妊娠・出産で起こる下肢静脈瘤とは

2018.06.29
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医療法人見宜堂 梅田血管外科クリニック -大阪市北区 梅田駅 徒歩6分- 医師 古林 圭一

医師 古林 圭一

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梅田血管外科クリニック

【経歴】
日本脈管学会脈管専門医
日本循環器学会専門医
日本外科学会専門医
腹部大動脈瘤ステントグラフト指導医
胸部大動脈瘤ステントグラフト実施医
血管内レーザー焼灼術実施医・指導医

妊娠・出産と下肢静脈瘤

下肢静脈瘤は下肢(=足)の静脈にコブ(瘤)ができる病気です。さまざまな理由で血流が滞ったり逆流、蛇行してしまうために、足の静脈弁が機能不全になったり破壊され、滞った血液の圧力で血管が拡張して太くなったり、コブができたりします。 足の血液循環が悪くなっていますので、足にだるさ、むくみ、痛みなどさまざまな症状が現れます。また、血管が皮膚表面に浮いて見えるなど審美的な影響も出てきます。ふくらはぎの筋肉は足の血流を心臓へと送り返す役割を担っています。この筋肉ポンプ作用が比較的弱い女性に下肢静脈瘤は多く見られるといわれています。さらに妊娠や出産を経験すると発症率が高くなり、2人目、3人目の妊娠・出産でさらに発症率が上がります。妊娠・出産で発症のリスクが高まるのは、妊娠時に分泌される黄体ホルモンの影響で血管が柔らかくなるためです。そのため血管が圧力に弱くなって拡張しやすくなり、逆流を防止している静脈弁が機能しなくなって下肢静脈瘤のリスクが高まります。 また、お腹の赤ちゃんの重さで血管や静脈弁に圧力がかかることで、やはり下肢静脈瘤のリスクを高めます。最初の妊娠・出産時に静脈弁がダメージを受けるため、第2子以降の妊娠ではよりダメージを受けやすい状態にあって、下肢静脈瘤のリスクはより高まります。

 

下肢静脈瘤の症状

下肢静脈瘤は静脈弁が壊れ、血管にコブ(瘤)ができる病気です。その結果、足の血流が滞り、さまざまな症状を呈します。代表的なものは、以下のような症状です。

  • 足がむくむ
  • 足がだるい
  • 足が重い、疲れやすい
  • 足がかゆい
  • 足が痛い
  • 寝ているときにこむら返りが起こる

また、血管にコブができたり腫れたりするために、ふくらはぎやすね、太ももなどに血管が浮き出て見えるのも大きな特徴です。細い血管に異常が起こるとコブにならずに血管が拡張して赤紫のクモの巣状や青い網目状に透けて見えます。下肢静脈瘤自体は命にかかわるものではありませんが、放っておくと悪化します。自然に治ることはありません。有効な薬もありません。 悪化すると皮膚がダメージを受けてかゆみを感じたり湿疹ができたりし、さらに悪化すると色素沈着を起こして皮膚が黒くなり、潰瘍で穴が空いたりすることもあります。

 

下肢静脈瘤の予防方法

下肢静脈瘤の要因となるのが、ふくらはぎのポンプ機能と静脈弁の機能不全です。これらを抑止できれば下肢静脈瘤の予防につながることが期待できます。具体的には、ふくらはぎの筋肉をよく動かすことと、血行をよくすることです。

ふくらはぎの筋肉を動かす

適度な運動を行う

生活のなかに適度な運動を組み入れることです。そして立ちっぱなし、座りっぱなしなど、同じ姿勢をとり続けないことが大事です。 立ち仕事の職業(美容師、キャビンアテンダント、教師、看護師など)に従事している方は、休憩時に歩き回ったり、屈伸運動をしたり、階段の昇り降りなどを行ってふくらはぎの筋肉を動かしましょう。

弾性ストッキングを着用する

弾性ストッキングは足を適度に締め付けることで筋肉のポンプ作用を外からサポートしてくれます。さまざまな圧力の製品があります。妊娠されている方は、医師に相談して適切な圧力のものを選択してください

血行を促す

就寝時に足を高くして寝る

足の血液が心臓に戻りやすいように少し足を高くして寝ると、むくみやだるさなどが軽減することがあります。

マッサージなどセルフケアを行う

入浴時には湯船にゆっくり浸かって全身の血行を促し、入浴後にはとくに足先から太ももの方向にマッサージをすることで、足の血行を促進することができます。とくに専門的なマッサージでなくても保湿クリームなどを塗るように撫でるだけでもOKです。血流が足から心臓に向かって流れるイメージでケアしてみてください。お腹の子に負担をかけない程度に行ってください。

アロマレッグケア

アロマオイルを用いたマッサージです。ふくらはぎの張りをほぐし、血流を促進します。当院で行っていますので、ご相談ください。

その他

高血圧や脂質異常、糖尿病なども血管へ大きな負荷がかかります。これらの病気の予防や、悪化を防ぐことも大切です。規則正しい生活、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。

下肢静脈瘤の治療方法

下肢静脈瘤には有効な服用薬などはありません。治療法は、弾性ストッキングなどによる保存的治療か、手術による根本治療です。

保存療法

妊娠中の治療についてはまずは赤ちゃんの安全を第一に考えます。したがって手術などの負担が大きな施術は行いません。 また、「妊娠中のホルモンの影響+お腹の赤ちゃんの圧力」によって下肢静脈瘤のリスクが高まっていますので、出産後は赤ちゃんの圧力がなくなるために症状が軽減することがあります。授乳期間が終わるころまではマッサージや弾性ストッキングを使ってケア中心の療法を続け、希望があればその後本格的な治療を行います。健康保険は適用されません。

硬化療法

軽度の下肢静脈瘤であれば硬化剤を血管に注入して固めて塞いでしまう硬化療法が有効です。注射で薬剤を入れるだけなので施術時間も10分程度で終わります。硬化が終わるまで弾性ストッキングや弾性包帯で静脈瘤を圧迫しておく必要があります。ただ、進行した下肢静脈瘤では効果が期待できないことがあります。

ストリッピング手術

膝裏や足の付け根を切開して静脈瘤を起こしている静脈にワイヤーを挿入し、ワイヤーごと静脈を引き抜く手術です。安定した治療実績があり、再発率が低いのが特徴ですが、内出血や痛みが残ったり、神経損傷を起こしたりするリスクもあります。全身麻酔や下半身麻酔で行われるため入院が必要でしたが、最近日帰り手術も可能になってきました。健康保険適用です。

レーザー治療/ラジオ波治療(血管内治療)

機能不全を起こしている血管内にファイバーやカテーテルを入れ、レーザーや高周波(ラジオ波)の熱で血管を焼き固め閉塞させる治療法です。体への負担も小さく日帰りでの施術ができます。どちらも健康保険適用で、経済的にも負担が少なくて済みます。

まとめ

妊娠中には赤ちゃんが下半身を圧迫するために足がむくんだりします。これまで履けていた靴が履けなくなったり、足がだる重く感じたりします。それは単なる妊娠の影響だけではなく、下肢静脈瘤を発症しているからかもしれません。 妊娠中は足の血管が圧迫されて血流が滞りがちになります。運動不足が重なると、本来ふくらはぎの筋肉が持っている血流をサポートするポンプ機能が落ちてさらに血液循環が悪くなりがちです。また、血管がボコッと浮いて見えたりすると大変な病気ではないかと心配にもなりますね。 下肢乗客瘤は適度な運動やマッサージ、弾性ストッキングなどの正しい利用で、予防したり悪化を防ぐことができます。足のむくみやだるさにお悩みの妊婦さんは、安心して出産を迎えるためにも放置せずに、専門医の診察を受けることをおすすめします。

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