下肢静脈瘤の基礎知識

足のむくみやだるさを弾性ストッキングで改善!下肢静脈瘤の保存的療法について

2018.09.10
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医療法人見宜堂 梅田血管外科クリニック -大阪市北区 梅田駅 徒歩6分- 医師 古林 圭一

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梅田血管外科クリニック

【経歴】
日本脈管学会脈管専門医
日本循環器学会専門医
日本外科学会専門医
腹部大動脈瘤ステントグラフト指導医
胸部大動脈瘤ステントグラフト実施医
血管内レーザー焼灼術実施医・指導医

仕事の都合などで立ったままの状態が続いていると、足がだるくなったりむくんできたりします。夕方になるほど辛いこの症状、なんとかしたいと思われている方は数多くおられるでしょう。そんな方々にお勧めしたいのが「弾性ストッキング」です。むくみやだるさを緩和し、下肢静脈瘤という病気の予防にもなりますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

下肢静脈瘤の主な原因

下肢静脈瘤は静脈の逆流によっておこる病気の一種です。そもそも血液は心臓から動脈を通って身体の各所に送られ、酸素や栄養分を届けます。その役割を終えた後は静脈を通って心臓に帰るのですが、血液が足から心臓に上がるには重力に逆らう動きをする必要があります。これを正常に行うために静脈には「弁」という逆流を防ぐ機能があるのが健康な状態です。しかし何らかの理由で弁がうまく機能しないと、血液は重力に負けて足に溜まり、通常以上の量の血液が血管に圧力をかけることや、老廃物を多く含んだ血液がうっ滞することで下肢静脈瘤を引き起こしてしまうのです。

弁の不具合が起きる理由としては以下のことがあげられます。

  • 長時間の立ち仕事
  • 遺伝的要因
  • 妊娠・出産による静脈の圧迫
  • 加齢
  • 肥満
  • 便秘

下肢静脈瘤の進行度


下肢静脈瘤の進行の度合いは以下の7段階に分けることができます。これはCEAP(シープ)分類という分け方で、国際的な臨床分類で、下肢静脈瘤の状況を把握・診断するための基準となっています。

軽症

C1:直径1mm以下の皮内静脈に現れる血管拡張症、および直径1~3mmの皮下静脈に見られる網目状静脈です。この段階では静脈に立体的なふくらみは無く、皮膚表面に近い細かい血管が目立つ程度です。

中等症

C2:直径3mm以上に静脈瘤が膨らんできた状態です。

C3:浮腫(むくみ)がひどくなってきて、ボコボコと浮き上がる状態が見られます。

重症

C4a:色素沈着や湿疹が現れます。

C4b:皮膚脂肪硬化、または白色萎縮が起こります。

C5:皮膚表面に発生した潰瘍(皮膚がただれたり、欠損が発生する)が回復した状態です。

C6:活動性潰瘍(皮膚がただれたり、欠損が発生する)が進行している状態を指します。

保存的療法【弾性ストッキング】


上記の7段階の中で、軽症の場合と中等症でも軽度の方は「保存的療法」という治療で対応されるケースが多いです。保存的療法は主として「弾性ストッキング」を用います。

弾性ストッキングはその長さからハイソックス、ストッキング、パンストタイプの3種類に分けられています。基本的に足の下になる部分=足先やふくらはぎに比較的強い圧をかけ、心臓に近い部分=太ももなどは小さい圧がかかるので血液は自然と心臓側に向かうという仕組みです。これにより足の最下部にうっ滞した血液は少しずつ改善されます。主にふくらはぎの筋肉に圧を掛けることで血流は促されるので、長いタイプが暑苦しい、うっとうしいという方はハイソックスタイプでも効果を期待できますが、その選定については医療機関の指示を受けることをお勧めします。

特に長時間立ち仕事をする方は弾性ストッキングを着用するだけで、足に血液が滞留することを大きく軽減できますが、残念ながらこの療法は下肢静脈瘤の進行を遅らせるものですので、出来てしまった静脈瘤が消滅したり、いったん失われた静脈の弁が正常に機能するようになるといった根本治療ではありません。

日常生活の改善で予防

仕事の都合などで長時間の立ち続けなければならない方は、弾性ストッキングの着用と並行して、意識的にふくらはぎの筋肉を動かしましょう。ふくらはぎの筋肉は収縮、弛緩する際に「深部静脈」という部位に圧力をかけ、血液を心臓に向かって押し上げる働きをします。これは「筋ポンプ作用」と呼ばれており、この機能があることからふくらはぎは第2の心臓とも呼ばれています。

筋ポンプ作用を有効に利用するには、ウォーキングがお勧めですが、時間が作りにくい、健康状態が優れないという方は、立った状態か座った状態で、かかとを上げ下げするだけでも効果があります。この程度なら忙しい方でも仕事の合間などに無理なく取り入れることができるでしょう。

これも弾性ストッキングと同様に、できてしまった静脈瘤を治癒することが期待できる訳ではありませんが、血行を改善して浮腫(むくみ)を改善し、血液がうっ滞したことによって足に溜まった老廃物を心臓に戻し、酸素や栄養分の供給をスムーズにします。そのため夕方に感じるあの不快な症状を緩和することは期待できます。ただし、繰りかえし記述しますが、弾性ストッキングやふくらはぎの運動は、下肢静脈瘤の予防やこれ以上進行しないための方法ですので、できてしまったものを根本治癒する訳ではありませんから、血管の浮き上がり方が気になる、足のだるさやかゆみ、湿疹などが辛いという方は医師の診断を受けましょう。

まとめ

下肢静脈瘤の原因やその症状と、初期症状に対応できる保存療法についてご理解を深めていただけたことと思います。下肢静脈瘤は遺伝的要素や妊娠出産などコントロールしがたい原因もありますが、肥満や便秘は日常生活の改善で緩和することができます。適切に水分や繊維質を補給したり、運動不足の改善を試みるなども有効です。

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