下肢静脈瘤の基礎知識

足の血管が浮き出る・足のかゆみなどの下肢静脈瘤の種類と治療法について

2018.08.08
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医療法人見宜堂 梅田血管外科クリニック -大阪市北区 梅田駅 徒歩6分- 医師 古林 圭一

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日本脈管学会脈管専門医
日本循環器学会専門医
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腹部大動脈瘤ステントグラフト指導医
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血管内レーザー焼灼術実施医・指導医

最近足の血管が妙に目立つようになった、足がかゆい、だるい、よくむくんだりこむら返りを起こしたりする、ということはありませんか? それはもしかすると「下肢静脈瘤」の症状かもしれません。下肢静脈瘤ってなに? と思われる方も多いでしょう。ここではそのような方々のために、その病気がどんなものか、その種類や治療方法について丁寧に記述します。ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

下肢静脈瘤について

下肢静脈瘤とは、まず外観的特徴として、足の血管が網目状やクモの巣状に浮き上がって見えたり、ボコボコと立体的に腫れたりする状態を言います。体感できる症状としては、足の重さ、むくみ、だるさ、こむら返りなどを感じるようになり、進行とともに湿疹やかゆみが現れるようになります。さらに進むと潰瘍ができることもありますから要注意です。

そもそも正常な状態の静脈は、逆流を防止するための弁が付いています。そのため、心臓より下にある足から、重力に逆らって血液を上にあげることが可能なのです。しかし何らかの理由でこの弁の機能に支障が生じると、血液の流れが重力に負けて、足に停滞するようになります。本来の量より多すぎる血液が血管の壁に圧力をかけ、血管そのものを広げるため、外観として浮き上がるように見えるのです。さらに静脈は老廃物を多く含んだ血液が流れていますから、それが滞留するとだるさやむくみに繋がっていきます。

一次性静脈瘤と二次性静脈瘤

下肢静脈瘤は、一次性静脈瘤と二次性静脈瘤の二種類に分けることができます。この項目ではそれぞれの特徴を説明しましょう。

一次性静脈瘤

これは体の表面にある表在静脈に現れる静脈瘤です。遺伝的理由により表在静脈の弁に異常がある場合に多く見られます。この素質は高い確率で遺伝することが知られており、両親ともが下肢静脈瘤である場合、その子供に下肢静脈瘤が現れる確率は90%と言われています。片方の親が持っている時にはその子供が女性であれば60%、男性なら25%です。

二次性静脈瘤

二次静脈瘤とは、深部静脈血栓症=いわゆるエコノミークラス症候群や、骨盤の内側に腫瘍ができた時などに深部静脈の血流が悪化することによってできる静脈瘤です。

足の静脈に流れる血液の90%は通常はこの深部静脈を流れています。しかし血栓などでこの流れがとどこおると、大量の血液が他のルートを通ろうとしますから、別の静脈に通常よりも大きな圧力がかかり、静脈瘤の発生につながる、というのが二次性静脈瘤ができるメカニズムです。

治療法

一次性静脈瘤の治療法

一次性静脈瘤の場合は自覚症状が無ければ無理に治療をする必要はなく、経過をみても良いと思います。ただし足の重さやだるさ、むくみなどがあり、こむら返りが起きやすくなったなどの自覚症状がある場合は治療を受けた方が良いでしょう。治療方法としては、以下のようなものがあります。

  • 圧迫療法

弾性ストッキングという足に停滞した血液を心臓側に返しやすくするものを着用して、血流を促します。ただしこれは根本治療ではなく、状態を進行させにくくするものですから、治癒に至るものではありません。

  • 手術を伴う治療

足に湿疹やかゆみ、色素沈着が認められる場合は、状態が進行しているため手術による治療が必要です。以前は逆流が起こっている静脈の身体側からワイヤーを通し、静脈自体を取り去るストリッピング手術が主流でした。この方法は現在も行われていますが、近年は身体的負担が少ない血管内焼灼術が主流になりつつあります。

 

血管内焼灼術は、患部の静脈に非常に細いレーザーのファイバーや高周波カテーテルを通してその熱で血管壁を閉塞させるものです。治療の説明に当たって、血管を閉塞させて良いのか? という質問をしばしばいただきますが、表層にある静脈は足の静脈全体の1割に過ぎず、その中の1か所を閉塞しても問題はありません。閉塞した血管は数か月かかって周辺の組織に吸収されるので、機能不全のまま残るものでもありませんから身体に不都合はないことが認められています。

二次性静脈瘤の治療法

静脈が心臓に戻るルートの大部分を占める深部静脈が血栓などで流れを妨げられている場合は、血液が心臓へ戻るルートを確保するため他の静脈に流れ込み結果として静脈瘤ができる事は2の項目で説明しましたが、この原因でできた静脈瘤は一次性静脈瘤のように閉塞させるわけにはいきません。深部静脈が機能していないため、他の静脈を閉塞させると血液が心臓に戻れなくなってしまうからです。

まとめ

下肢静脈瘤についてその症状や種類、治療方法を具体的にまとめました。
一次性静脈瘤の初期の状態では特に生活に支障はないことが多く、下肢静脈瘤についての専門的な知識が無ければその判別は難しいかもしれません。血管が浮いているように見える、足のだるさや重み、むくみを感じるという方(二次性静脈瘤の症状をお持ちの方)は、早い段階で適切な検査を受ける事が大切です。症状が進行しているのに放置すると潰瘍などを発症する恐れがあるので血管専門のクリニックを受診しましょう。

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