下肢静脈瘤の基礎知識

足の血管が浮き出る下肢静脈瘤の発症率と予防法について

2018.07.31
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医療法人見宜堂 梅田血管外科クリニック -大阪市北区 梅田駅 徒歩6分- 医師 古林 圭一

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日本脈管学会脈管専門医
日本循環器学会専門医
日本外科学会専門医
腹部大動脈瘤ステントグラフト指導医
胸部大動脈瘤ステントグラフト実施医
血管内レーザー焼灼術実施医・指導医

下肢静脈瘤の発症率

 

下肢静脈瘤の発症率についてはいくつものデータがありますので、以下にまとめます。

加齢による影響

40歳を超えると下肢静脈瘤を発症する方は増えていきます。50歳代、60歳代であれば60%、70歳を超えれば75%の方に見られます。

足の筋肉は動作時にポンプのような働きをして、静脈を通る血液が重力に逆らって心臓に戻ることを補助しています。しかし年齢が上がるとともに運動量や筋力は低下しますから、この筋ポンプ作用も減少していき、下肢静脈瘤ができやすくなるのです。

性別による違い

下肢静脈瘤の発症率は男女比でみると男性:女性は1:3と言われています。この理由としては、女性はもともと筋肉量が男性より少なめなので、前述した筋ポンプ作用が弱いことと、妊娠・出産の影響だと考えられます。

◆妊娠時は血液量も増加している

体内で胎児が育つにあたって母親の体内の血液量は4~5割も増えており、全ての静脈が拡張されやすい状態になります。特に心臓より下にあって重力の影響を受けやすい足は静脈瘤ができやすい状態が数か月続きます。

◆子宮が大きくなり静脈に圧がかかる

胎児の成長に伴い、子宮が大きくなると骨盤の中の静脈が次第に圧迫されていきます。そのため足から上がってくる血液が通りにくくなり、静脈瘤につながります。

ただでさえ妊娠中は体の変調が続くのに、静脈瘤のストレスも加わるのは大変なことだと思います。しかし、他の静脈瘤で見られる静脈の弁が壊れた状態ではないため、出産後にこの状態が解消されると自然治癒するケースが多いです。(この時静脈が伸び切って戻らないという方もおられ、すべての方が自然治癒するわけではありません)

また、出産回数が増えるほど静脈瘤にかかりやすくなることも広く知られています。

◆女性ホルモン分泌量の変化

妊娠によってエストロゲンという女性ホルモンが通常の100倍にも増加します。このホルモンは血管を拡張させる効果があるため、静脈瘤が非常にできやすくなります。

遺伝的要因

両親ともが下肢静脈瘤を持っていると、その子供に遺伝する割合は90%と言われています。両親のどちらか一方が持っている場合は、その子供が男性であれば25%、女性なら60%です。

 

 

下肢静脈瘤の様々な症状

下肢静脈瘤になると以下のような症状があります。

  • 足の静脈がボコボコと腫れ、浮かび上がってくる(伏在静脈瘤の場合)
  • 足の毛細血管がやけに目立つ(クモの巣状静脈瘤、網目状静脈瘤の場合)
  • 特に夕方以降、足のむくみが気になる
  • 足のだるさ、重さを感じる
  • 階段がつらい
  • 睡眠中、足がよくつる
  • 足がしびれやすい
  • 皮膚が黒ずんでくる
  • 皮膚が固くなる
  • かゆい
  • 潰瘍ができる

初期のころは上記の症状も軽く現れますが、進行すると苦痛に感じることが多くなったり、痛みを覚えたりする場合もあります。

この苦痛の度合いは静脈瘤の大きさと比例するわけではありません。細い場合でもかゆみや痛みを感じることはあります。

 

下肢静脈瘤にならないための予防法

下肢静脈瘤を発症する原因は、遺伝、妊娠、出産、肥満、加齢、便秘、長時間の立ち仕事などがあります。遺伝や加齢は避けがたいものですが、肥満、便秘は生活習慣の改善によって緩和できるでしょう。

簡単な予防法

仕事などで立っている時間が長いことを避けられない、という方は以下の方法を実践してみてください。

  • 休憩できる時間があれば、座るだけでなく足を椅子にあげる(可能であれ横になるとなお良い)
  • 毎時間1セット、足の指でグーパー運動を10回程度行う
  • 毎時間1セット、つま先立ちを10回程度行う
  • 弾性ストッキングを着用する

ただし基本的にできてしまった下肢静脈瘤は自然治癒しません(妊娠・出産による場合のみは産後に自然治癒する人が多い)。これらの方法はあくまでも比較的下肢静脈瘤になりにくい、なってしまっても進行させないための予防方法です。

弾性ストッキングとは

弾性ストッキングは足の血行を良くするためのものです。足先に比較的強い圧がかかるように作られており、それをひざ、太ももと弱めてあるので自然と足先に滞留した血液が心臓側へ戻りやすくなります。量販店やネット上でも購入することはできますが、サイズが合っている方が効果を得やすいので、医療機関に相談して購入することをお勧めします。医療機関では何科にかかればよいのかわかりにくいと思いますが、できるだけ「血管外科」を探して、そこで診療を受けましょう。

 

まとめ

下肢静脈瘤の発生率や予防方法について理解を深めていただけたことと思います。この病気は遺伝的な要素も強いため、完全な予防は難しい面もあります。また、お仕事の都合でどうしても立っている時間が長くなる、という方も多いでしょう。

もしここに記載した予防をしていても発症してしまったという場合、放置することなく医療機関にかかることをお勧めします。下肢静脈瘤は命にかかわるような病気ではありませんが、重症化するほど皮膚の黒ずみが進んだり、潰瘍ができたりもします。

医療機関にかかる場合は「血管外科」がお勧めです。その名の通り血管に関する病気を扱うことに特化していますから、適切な指導や治療を選択してくれるでしょう。

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