下肢静脈瘤の治療

足の痛みや血管が浮き出る下肢静脈瘤の症状・原因・治療方法

2018.07.13
当メディアの監修医院

医療法人見宜堂 梅田血管外科クリニック -大阪市北区 梅田駅 徒歩6分- 医師 古林 圭一

医師 古林 圭一

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梅田血管外科クリニック

【経歴】
日本脈管学会脈管専門医
日本循環器学会専門医
日本外科学会専門医
腹部大動脈瘤ステントグラフト指導医
胸部大動脈瘤ステントグラフト実施医
血管内レーザー焼灼術実施医・指導医

下肢静脈瘤は、ふくらはぎなどにボコボコと血管が浮いてくる、見た目も気になる病気です。足の静脈の血流が滞って、足にむくみやだるさ、かゆみや痛み、こむら返りなどの症状が出ます。今回は、専門医の監修の元、下肢静脈瘤の症状、原因、治療方法について解説します。

下肢静脈瘤の種類と症状

足の静脈がコブのようにデコボコ膨れるのが下肢静脈瘤です。ただ、発症する血管によって症状の現れ方が異なります。以下の4つのタイプがあります。

  • 伏在静脈瘤

伏在静脈に発症するケースです。伏在静脈は足の皮膚のすぐ下を走っている比較的太い静脈です。足の付け根からももの内側を走っている大伏在静脈と、膝の裏側からふくらはぎに走っている小伏在静脈があります。伏在静脈に静脈瘤が見られると、皮膚表面に血管がボコボコと膨らんでかなり目立ち、だるさやむくみを感じます。来院する方の大半がこのタイプの静脈瘤です。 大伏在静脈の静脈瘤ではふくらはぎ内側や太ももに、小伏在静脈にできる静脈瘤ではふくらはぎの外側や膝の裏に見られることが多いようです。 4タイプの中ではもっとも症状が重く、根治には手術が必要です。

  • 側枝静脈瘤

伏在静脈より細い末梢分枝、交通枝(伏在静脈と深部静脈をつないでいる静脈)に発症するタイプです。膝から下、ふくらはぎに比較的多く見られます。発症すると、足のだるさやむくみ、かゆみ、若干の痛みを感じます。伏在静脈より血管は細いのですが、血管の膨らみが目立ちます。

  • 網目状静脈瘤

径2、3mmの細い皮下小静脈が膨らむもので、文字通り網目状に広がって見えます。膝裏のくぼみによく見られます。鮮明な青色であることが多いようです。発症すると、足のだるさやむくみ、かゆみ、若干の痛みを感じます。 急速に悪化することもなく、比較的症状も軽い場合には治療を行わないこともあります。ただ、血流が滞って皮膚炎が生じているような場合や、見た目が気になって悩んでいる、症状がつらいような場合には、積極的に治療をする必要があります。

  • クモの巣状静脈瘤

径1mm以下のごく細い皮内細静脈が膨らむもので、細い血管のためコブにはならず、赤紫色のクモの巣状に血管が透けて見えます。太もも、ふくらはぎ、膝の裏にできます。症状もほとんどなく、まれに足のだるさやむくみが感じられることがあります。悪化するリスクは低く、診察の上で治療をしない選択をすることもあります。

下肢静脈瘤の原因とは

下肢静脈瘤は、血液の逆流を防止する静脈弁が壊れて血流が逆流したり蛇行したり、血液がうまく還流できずに滞ってしまったり(これを「うっ滞」といいます)することで、さまざまな症状を引き起こします。静脈弁が壊れる原因としておもに次の4つが挙げられます。

  • 加齢による血管の老化

静脈弁が老化によって機能低下を起こしたり壊れたりすることで、血流が乱れたりうっ滞したりします。血流が逆流や蛇行すると、薄い静脈壁への圧力が高まって太く膨らんだり、ボコボコと瘤ができたりします。

  • 立ち仕事をしている・長時間同じ姿勢でいる

仕事柄同じ姿勢をずっと続ける傾向がある職業の方は下肢静脈瘤のリスクが高まります。具体的には理容師、美容師、教師、調理師、看護師、アパレルなどの販売員などの方で、立ちっぱなしだったり座りっぱなしだったりすることが多い方です。足の血行が悪くなり、血管への負荷も高くなるため、下肢静脈瘤のリスクは高まります。

  • 妊娠

妊娠中は分泌されるホルモンの影響で血管が柔らかくなって拡張しやすくなり、出産時に出血を止めやすくするために血液を凝固させる働きがあります。また、胎児に圧迫されて血管に負荷がかかりやすくなっています。これらの要素が重なって、妊娠中は下肢静脈瘤になりやすいといわれています。出産後にはホルモンバランスが戻るので症状が軽快することがありますが、第2子目以降、このリスクはさらに高くなります。

  • 遺伝

血族に下肢静脈瘤の患者がいる方の場合、発症のリスクが高いことが知られています。

下肢静脈瘤の様々な治療法

下肢静脈瘤の治療法は保存的療法か、手術による根治治療になります。手術もほとんど日帰りまたは外来手術で行えます。ごく一部の全身麻酔が必要な場合には入院手術となります。 静脈弁の機能不全によって血液が静脈にうっ滞することで症状が出ます。手術では機能不全に陥っている血管を取り去ってしまうことで改善を図ります。

  • 保存的療法(弾性ストッキング)

症状が軽度の場合には医療用の弾性ストッキングを着用し、血流をサポートすることで症状を改善します。ただし、根治はできません。また、手術後には再発防止と血行促進のために、一定期間、弾性ストッキングを着用します。 弾性ストッキングは下肢静脈瘤の治療では健康保険の適用外のため自己負担となります。1足5,000円〜1万円です。

  • 硬化療法

静脈瘤に硬化剤を注射して、血管を固めてしまう治療法です。注射をするだけですので外来手術で行うことができ、患者さんの負担も非常に軽いのが特徴です。 注射した部位がしこりとなったり変色したりすることもありますが、時間経過とともに消えていきます。 重症の静脈瘤に対しては効果が薄いこと、再発率が高いことなどのデメリットがいわれています。 側枝静脈瘤、網目状静脈瘤、クモの巣状静脈瘤の軽症の下肢静脈瘤治療に適しています。ストリッピング手術や高位結紮術など他の手術と併用して効果を高めることもあります。

  • 高位結紮術

足の付け根を切開し、静脈瘤のある伏在静脈をしばって(結紮)血流を止めます。結果として逆流、うっ滞が止まります。日帰り・外来手術で行うことができますが、ストリッピング手術や血管内治療に比べると再発率がやや高いというデメリットがあります。

  • ストリッピング手術

伏在静脈瘤の根治治療として実績のある治療法です。足の付け根と膝裏を切開して静脈瘤のある血管にストリッピングワイヤーという器具を挿入し、ワイヤーごと血管を抜き去ってしまう手術です。血管を引き抜いてしまうため、再発率が低いのがメリットです。 デメリットとしては切開創の傷跡が残る、術後に皮下出血や痛みが出たり、神経障害のためにしびれを感じることです。ただ、時間経過とともに軽快していきます。 TLA麻酔という新しい局所麻酔法の普及で日帰り手術が可能になっています。旧来のように全身麻酔で行う必要があるケースでは、2、3泊の入院を要する手術になります。

  • 血管内治療(レーザー焼灼術・高周波カテーテル治療)

伏在静脈瘤の治療に適しています。血管内からレーザーや高周波の熱で血管を焼いて閉塞させるため血管内治療といわれます。血管に細いファイバーやカテーテルを入れるだけなので切開の必要がありません。焼かれて閉塞した血管は半年ほどで体内に吸収されてなくなります。 TLA麻酔で行いますので、日帰り手術が可能です。ストリッピング手術に比べて傷が目立たない、皮下出血や術後の痛みが少ないなど患者さんの負担が小さいこと(低侵襲)が大きなメリットです。また、再発率も良好で、ストリッピング手術に代わって下肢静脈瘤治療の主流となっています。

  • 皮膚照射レーザー治療

網目状静脈瘤やクモの巣状静脈瘤などの軽度な静脈瘤に用いられるレーザー治療です。これらのタイプの静脈瘤は重症化のリスクは低いものの、審美的に悩みの元となったりしてQOL(生活の質)の低下を招いたりします。血管内治療やストリッピング手術の対象外であり、硬化療法でも治療が難しいケースでは、ロングパルスYAGレーザーを皮膚の上から数回照射することで症状を起こしている血管を消失させていきます。 この治療は健康保険適用外の、自費治療となります。

  • 静脈切除、スタブ・アバルジョン法

皮膚を小さく切開して静脈瘤をひとつずつ切除する治療です。スタブ・アバルジョン法は特殊な器具を使って小さな傷で静脈瘤を切除することができるため縫う必要がなく、傷跡が残りにくいのが大きなメリットです。 レーザー治療では症状によっては静脈瘤を取り切れない場合があります。そのような場合にはスタブ・アバルジョン法を併用して治療効果を上げることが期待できます。

保険適応でおこなう治療と自費でおこなう治療

当クリニックの下肢静脈瘤の治療日については、基本的にすべて保険診療になります(以下、概算)。

 

診察内容 3割負担の場合 1割負担の場合
初診時(初診料+超音波検査) 約3,040円 約1,010円
硬化療法(片足) 約5,000〜約9,000円 約1,700〜約3,000円
ストリッピング手術(片足) 約36,000円 約14,000円
レーザーカテーテル治療(片足) 約45,000円 約14,000円
高周波カテーテル治療(片足) 約45,000円 約14,000円

初診時に手術前検査を行った場合には、別途検査費用がかかります。 レーザー治療や高周波カテーテル治療の場合に、医療保険や生命保険の手術給付金の対象になっていることがあります。詳細についてはご加入の保険会社にお問い合わせください。 自己負担限度額の認定を受けられている方は、自己負担額は一定の限度額までとなります。

下肢静脈瘤と合併症

下肢静脈瘤の手術はレーザーや高周波を利用した血管内治療が主流になりつつあります。患者さんに低侵襲(負担が小さい)な手術として多くの医療機関で行われています。ただ、血管内治療が難しいケースもあり、その場合にはストリッピング手術をはじめ患者さんに最適な術式が選ばれます。 根治治療の手段が手術である以上、合併症のリスクを伴います。合併症としてよく見られるのが皮下出血、痛み、炎症、神経障害によるしびれです。ただ、これらは一時的なもので、内服薬による対応ができますし、時間経過とともに軽快していきます。 ごく稀にエコノミークラス症候群(肺塞栓症)や心筋梗塞を引き起こすことがあるといわれています。ただし、医師の指示に従って術後を過ごせばほとんどその心配は必要ありません。

まとめ

下肢静脈瘤は血行不良の結果として血管にコブができる病気です。足に血管がボコボコと膨らんで見た目に気になる症状があります。スカートがはけない、水着になれないといった悩みを抱えている方も多くいらっしゃいます。放置しておくと皮膚炎や湿疹、潰瘍を起こして皮膚が壊死することもあります。 命にかかわる病気ではありませんが、早期に治療を始めることで短期間で改善することもできます。足にだるさやむくみ、かゆさや痛みを感じたり、浮き出た血管に気づいたら、早めに専門医を受診しましょう。

 

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