下肢静脈瘤の治療

足の血管のボコボコをレーザー治療で治す!下肢静脈瘤の治療と費用について

2018.07.02
当メディアの監修医院

医療法人見宜堂 梅田血管外科クリニック -大阪市北区 梅田駅 徒歩6分- 医師 古林 圭一

医師 古林 圭一

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梅田血管外科クリニック

【経歴】
日本脈管学会脈管専門医
日本循環器学会専門医
日本外科学会専門医
腹部大動脈瘤ステントグラフト指導医
胸部大動脈瘤ステントグラフト実施医
血管内レーザー焼灼術実施医・指導医

レーザー治療が必要な下肢静脈瘤の症状

下肢静脈瘤の根治手術としては、ワイヤーごと静脈を引き抜くストリッピング手術(抜去術)が行われてきました。治療実績も高く、再発率も低いのですが、全身麻酔、下半身麻酔が必要なこともあって入院が必要でした(最近では日帰り手術も可能になっています)。手術後、内出血や痛みが残ることもあり、神経損傷でしびれが生じるケースもありました。 2011年に下肢静脈瘤のレーザーによる血管内治療が一部保険適用になり、身体的にも経済的にも患者さんの負担が大きく軽減されることになって、レーザー治療を希望される方が増えています。

下肢静脈瘤は、機能不全を起こしている血管の種類によって大きく4つのタイプがあります。

伏在静脈瘤

伏在静脈瘤は足の表面近くを走る比較的太い静脈にコブができるタイプです。伏在静脈には大伏在静脈(足の付け根からももの内側を走る)と小伏在静脈(膝の裏側からふくらはぎに走る)があり、これらの本幹や主要な分枝に静脈瘤ができると大きく膨らんだコブがボコボコと目立ち、足にだるさやむくみを感じます。

側枝静脈瘤

側枝静脈瘤は、伏在静脈の末梢分枝や、交通枝(伏在静脈と深部静脈をつなぐ血管)にコブができるタイプです。ふくらはぎに比較的多く見られます。

網目状静脈瘤

網目状静脈瘤は、2、3mm径の皮下小静脈が拡張するタイプの静脈瘤です。元々の血管が細いためコブにはなりにくく、青く網目状に広がります。膝裏のくぼみによく見られます。重症化はしません。

クモの巣状静脈瘤

クモの巣状静脈瘤は、径1mm以下の皮内細静脈が拡張するタイプです。細い血管のためコブにはならず、症状もありません。赤紫色のクモの巣状に広がります。

 

このうち、レーザー治療が必要になるのは伏在静脈瘤のケースです。

 

日帰りレーザー手術について

下肢静脈瘤のレーザー手術は血管内治療ともいわれ、血管の中から治療を行います。機能不全を起こして血流を滞留(これをうっ滞といいます)させている血管をレーザーの熱で焼き固めて閉塞させます。

手術の手順は以下のようになります。

  • 事前に超音波検査などで詳細に血管の状態を調べておきます。
  • 血管の中にファイバーを挿入します。膝あたりから細いファイバーを挿入しますので、局所麻酔や、場合によっては静脈麻酔という軽い全身麻酔をかけます。
  • 血管の患部にファイバーを入れたらレーザーを照射して血管の内側からレーザーの熱で焼き固め、閉塞させます。

ほとんどのケースで日帰り手術が可能です。傷口も小さく、手術時間も15〜30分程度で終わりますので患者さんの体への負担も軽く、再発率はストリッピング手術と同程度に低いといわれています。

ただ、すべての下肢静脈瘤にレーザー手術が適しているわけではありません。レーザー手術が有効なのは伏在静脈瘤タイプです。その他の静脈瘤では他の治療法を選択する場合があります。レーザー手術の適否については、担当の医師の説明をお聞きください。

 

レーザー手術とストリッピング手術のメリット・デメリット

長年にわたって治療実績を積み重ねてきたストリッピング手術と、新しい治療法であるレーザー手術のメリットとデメリットを比較してみましょう。

レーザー手術のメリット・デメリット

メリット
  • 保険適用である
  • 再発率が低い
  • 切開の必要がないため、傷口が残らない
  • 術後の出血や痛みが(ストリッピング手術に比べて)少ない
  • 合併症のリスクが低い
  • 手術時間が短い
  • 局部麻酔での施術ができるため日帰り手術が可能
  • 手術後歩いて帰宅できる
デメリット
  • 長期の治療成績のデータがなく、信頼性が不確か
  • 認可外のレーザー装置では自由診療になる

ストリッピング手術のメリット・デメリット

メリット
  • 保険適用である
  • 再発率が低い
  • 長年採用されてきた術式で、治療成績が安定
  • 技術の進歩で局所麻酔での施術ができるようになり、日帰り手術も可能
デメリット
  • 麻酔などの術式によっては入院が必要
  • 切開が必要で、傷跡が残る
  • 皮下出血や神経障害などの後遺症が残る場合がある

レーザー手術は2002年に始まったまだ新しい治療法で、日本では2011年に保険診療となったため、まだ十分な治療実績のデータが揃っていません。ただ、レーザー治療を行っている医療機関からは、とくに最新の血管内治療(最新のレーザー治療や、2014年に薬事承認された高周波治療)での再発率は非常に低いという報告があります。
また、ストリッピング手術での後遺症は、ほとんど術後数日で治まってきます。

 

手術費用について

レーザー手術で気をつけたいのは、健康保険が適用になるケースとならないケースがあることです。 健康保険が適用されるには次の条件を満たしている必要があります。

  • 薬事承認されたレーザー機器による治療であること
  • レーザー治療の講習を受けた医師がいる施設での施術であること

最新のレーザー機器であっても、承認されていない機器による手術は自由診療になります。

保険適用レーザー手術の費用

片足:4万円〜5万円(3割負担)

両足:8万円〜10万円(3割負担)

自由診療のレーザー手術費用

片足:20万円〜

両足:40万円〜

どちらもおおよその料金です。このほか、初診料や検査費用などがかかります。また手術後に、焼灼した血管をしっかりと固めるために弾性ストッキングの着用が必要となります。別途その費用もかかります。弾性ストッキングは健康保険適用外です。

健康保険以外にも、生命保険・医療保険の手術給付金の対象となっているケースもあります。加入している保険がある場合、保険会社に確認をしてみましょう。 さらに、下肢静脈瘤のレーザー治療費は医療費控除の対象になります。

ケースによっては高額療養費制度の対象となる場合もあります。年齢や所得によって上限額がありますので、専門家に相談するなどして確認してみましょう。

術後の症状とアフターケア

術後の症状について

手術の影響

手術当日は麻酔の影響で足がむくんだ状態になることがあります。違和感が大きい場合には、足を少し高くしてお休みください。症状が軽減されます。 手術後2、3日は、立ち上がる、階段を上るなどの動作の際に、足に突っ張り感や違和感を感じることがあります。1週間ほど経つと、傷が硬くなって太ももなどを押すと痛むことがあります。また、焼灼した血管が内部で固まってしこりのように感じられることがあります。

1ヵ月ほど経つと、下肢静脈瘤の症状が軽減されてくるのを感じることができるようになります。足がだるい、重いといった症状が軽くなり、足をつったりすることも少なくなります。

数ヵ月経つと焼灼した血管が柔らかくなってきて、足がむくむことも少なくなり、ほぼ痛みもなくなります。半年後には傷口もほとんど目立たなくなります。

日帰り手術で体調悪化することはある?

手術時に鎮静剤を使用します。この薬の影響でごく稀に吐き気を感じる患者さんがいらっしゃいます。そのため、術後に吐き気を止める薬をお渡ししていますので、こちらの薬を服用してください。

術後に痛みが続くことはある?

下肢静脈瘤のレーザー手術ではTLA麻酔を使用します。これは通常の10分の1ほどの濃度の麻酔薬で局所麻酔を行うものです。元々脂肪吸引を日帰りで行うために開発された麻酔法で、術後、歩いて帰れるというメリットがあります。さらに、鎮痛効果が10時間以上続くという特徴を持っているため、下肢静脈瘤のレーザー手術後にひどい痛みを訴える患者さんはほとんどいません。念のため鎮痛剤をお渡ししますので、術後に痛みを感じる場合には、これを服用していただければ問題ありません。

術後のアフターケアについて

弾性ストッキングの着用

手術の翌日から数週間の間、弾性ストッキングの着用をお願いしています。これは焼灼した血管を圧迫して、確実に潰して閉塞させるためです。焼灼血管の部位や患者さんの皮膚の状態を考慮して、最適なタイプのストッキングを選択します。

経過観察診療

レーザー手術は再発率や合併症のリスクが非常に低いとはいえ「0」ではないため、術後翌日、1週間後、1ヶ月後、3〜6ヶ月後、1年後の経過観察の診療を設定しており、受診されることをおすすめしています。

アロマレッグケア

アロマオイルを用いたマッサージで、足の筋肉をほぐして血行を促進します。ご希望があれば気軽にご相談ください。

下肢静脈瘤の再発と予防

レーザー手術の再発リスク

下肢静脈瘤の治療ではストリッピング手術とレーザー手術がともに再発率が低い治療法とされています。再発率はともにほぼ1.6%といわれています。 ストリッピング手術はすでに長年にわたって実績を出している治療法で治療実績は医療界でも認められているといっていいでしょう。 いっぽう、レーザー治療についてはまだ新しい治療法で、ストリッピング手術に比べると治療例が少ないこともありますが、とくに最新のレーザー機器は数多くの医療機関から良好な治療結果が報告されています。

再発予防

下肢静脈瘤の再発予防は、下肢静脈を健全に保って血行を促進することと、ふくらはぎの筋肉ポンプを鍛えることです。

  • 弾性ストッキングを着用する
  • ふくらはぎの筋肉を鍛える
  • 体を締め付けすぎない

ガードルや補整下着などをよく着用される方は、血行が悪くなっていないか注意しましょう。
血液は全身を循環しますので、締め付けによって血液が滞留しがちになると、下肢静脈瘤のリスクが高まります。下肢静脈瘤の治療経験がある方は、できればゆったりとした衣服を楽しむようにしましょう。

まとめ

下肢静脈瘤のレーザー治療について見てきました。治療実績もよく、合併症や後遺症も稀で、再発率も低く、日帰り手術が可能なレーザー手術は、とくに血管がボコボコと浮いて見える伏在静脈瘤の手術には最適です。健康保険適用ですので経済的にも負担は大きくありません。 なかにはレーザー手術が適さないタイプの下肢静脈瘤もありますので、十分な検査の上、医師と相談して治療を検討してみてください。

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