下肢静脈瘤の基礎知識

足がつる(こむら返り)に隠された病気|原因と治療方について

2018.06.21
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医療法人見宜堂 梅田血管外科クリニック -大阪市北区 梅田駅 徒歩6分- 医師 古林 圭一

医師 古林 圭一

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梅田血管外科クリニック

【経歴】
日本脈管学会脈管専門医
日本循環器学会専門医
日本外科学会専門医
腹部大動脈瘤ステントグラフト指導医
胸部大動脈瘤ステントグラフト実施医
血管内レーザー焼灼術実施医・指導医

足がつる(こむら返り)症状

激しい運動をしたときや、久しぶりに運動したりすると足がつることがあります。足がつるとは、筋肉に痙攣が起きることです。とくにふくらはぎの筋肉が痙攣することを「こむら返り」といいます。一方、寝ているとき、とくに明け方に足がつって痛さで目が覚めるケースがあります。たまに発症する方もいれば、何日か続いて痛さに悩まされる方もいます。寝ているときに足をつる場合には、下肢静脈瘤を疑ってみましょう。
下肢静脈瘤はとくに女性に多く見られます。血液の逆流を防止している静脈弁が壊れることで逆流や蛇行が起きたり、血流が滞ったりして(これをうっ滞といいます)、血管が腫れて拡張したりコブができます。
下肢静脈瘤では初期症状として夜中に足がつる(こむら返りが起こる)という症状がよく見られます。その他、以下のような症状が見られます。

 

  • 足の血管が浮き出て見える
  • 網目状・クモの巣状の血管が透けて見える
  • 色素沈着で足の皮膚が黒っぽく見える

下肢静脈瘤は皮膚表面にボコボコと浮いて出てくるのが特徴的な症状です。このような症状が見られる方は下肢静脈瘤が原因で夜中に足がつるのかもしれません。

足がつる(こむら返り)原因

そもそも足がつるのはなぜでしょう。足がつるメカニズムはさまざま考えられていますが、おもな原因は肉体的疲労と栄養不足です。運動や労働による肉体の疲労、発汗や水分補給の不足による脱水、ミネラルなどの電解質の不足、冷えなどの要因が重なって起こると考えられています。

また、普段使わない筋肉を使ったり、筋肉に急に力をかけたりするなども要因となります。

電解質バランスの崩れ

水分の補給が足りていなかったり、バランスのいい食事ができていなかったりすると、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウムなど体内の電解質のバランスが崩れて、足がつる原因となるといわれています。 電解質は筋肉の収縮や神経の伝達、細胞の浸透圧の調整など、筋肉や細胞の機能に大きく関わっています。日頃からバランスのいい食事を摂ることで体内のミネラル(電解質)のバランスは維持されます。偏食や無理なダイエットによって栄養が偏ることで体内の電解質バランスが崩れて、足がつる原因になったりします。

下肢静脈瘤にもいくつかのタイプがありますが、クモの巣静脈瘤、陰部静脈瘤の比較的軽度な場合にはこの硬化療法が適しています。太い静脈の場合や、静脈瘤が大きい場合はこの方法は向いていません。

脱水

急に冷えたり、大量の発汗によって体温が下がったり、脱水症状を起こしているような場合にもミネラルバランスが崩れることがあります。水分が不足がちになるため筋肉が十分な代謝を行えなくなり、神経が異常な興奮状態になって痙攣が起こるリスクが高まります。

血流不足

血流不足が足をつる原因となることがあります。その血液不足の原因病が下肢静脈瘤です。この病気が足つり(ふくらはぎのこむら返り)を引き起こす詳しいメカニズムはわかっていませんが、血流が逆流したりうっ滞したりすることで電解質に異常を来してふくらはぎの筋肉の異常収縮を起こしているのではないかと考えられています。

 

足がつる(こむら返り)治療法

下肢静脈瘤が原因のこむら返りは、下肢静脈瘤の治療を行えば改善できます。ただ、下肢静脈瘤を改善させる内服薬・注射薬はありません。おもな治療法は保存的治療と手術になります。

保存的療法

保存的治療では医療用の弾性ストッキングを着用して足を圧迫し、血流をサポートします。弾性ストッキングは足首周辺でもっとも圧力が高く、上部に行くと段階的に圧力が下がるように設計されています。足全体が圧迫されることで静脈が縮まって逆流などを起こしにくくなり、血液の循環が確保されます。下肢静脈瘤の根本治療にはなりませんが、ある程度の症状の軽減は見込めます。1足5,000円〜1万円程度ですが、健康保険は適用されません。 弾性ストッキングははくだけなのでとても手軽ですが、同時に生活習慣を改善してバランスのいい食事を心がけたり、適度な運動を行ったりすることも必要です。 できるだけ長時間の立ち仕事を避けたりこまめに動いたりするようにしましょう。 就寝時には足を心臓より高く保つなどの工夫も効果的です。

手術治療

下肢静脈瘤治療は機能不全を起こしている静脈を抜去したり塞いだりすることで、血流の逆流や蛇行、滞りを解消することです。下肢静脈瘤を引き起こすのは足の筋肉の外側、皮膚に近いところを走っている静脈です。深部には太い静脈があって足の血流を支えていますので、表面の血管の一部を取り去ってしまっても深部の静脈や他の血管が補い合って血流を確保しますので悪影響はありません。

ストリッピング手術

下肢静脈瘤治療の代表的な手術はストリッピング手術です。膝の裏や足の付け根部分を小さく切開して、機能不全が起こっている血管にストリッパというワイヤーを挿入し、ワイヤーとともに血管を抜去します。再発のリスクが低く、長く下肢静脈瘤の主流手術として行われてきました。 ただ、手術後に痛みを感じたり、内出血を起こしたり、場合によっては神経損傷を伴うことがあったため、患者さんの負担は小さくありません。最近は検査技術の進歩によって機能不全を起こしている部分を特定することができるようになり、障害のある部分だけ抜去する技術も開発されているため、患者さんの負担も軽減され、日帰りで行うことも可能になってきました。

高位結紮(けっさつ)術

足の付け根の静脈弁が壊れて血液が逆流する症状が出ている場合、足の付け根で血管をしばって切り離し、逆流を止める手術です。数年経って再発することが多く、最近ではあまり行われていません。

硬化療法

静脈瘤が発症している血管に硬化剤を注入して静脈瘤を潰します。硬化が完了するまで弾性ストッキングや弾性包帯で静脈瘤を圧迫しておきます。注射で薬剤を注入するだけなので施術自体は10分程度で終了します。軽症の下肢静脈瘤では有効ですが、進行したケースでは効果が期待できないこともあり、また再発のリスクがあります。

レーザー治療

血管内に細いファイバーを挿入し内部からレーザーを照射することで機能不全を起こしている静脈を焼いて塞ぎます。

ラジオ波焼灼術

血管内にカテーテルを挿入して高周波(ラジオ波)を流すことで、血管を焼いて塞ぎます。

皮膚照射レーザー治療

細い静脈の下肢静脈瘤では網目状・クモの巣状に血管が透けて見えることがあります。とくに悪化することもなく放置しておいても問題はありませんが、審美的に気になる場合には皮膚表面にレーザーを照射してこれを消すことができます。

 

まとめ

下肢静脈瘤は放置しておいても生命に関わる重篤な症状につながることはありません。しかし、夜中に足がつって目が覚めてしまうために寝不足になるなど、日常生活への支障がまったくないわけではありません。進行すると血栓性静脈炎や、皮膚の壊死、潰瘍につながることもあります。 また、ふくらはぎなどに血管が浮いて見えたり、赤紫のクモの巣状や、青い網目状に血管が透けて見えたりするなど、審美的に悩みの元になることも多いようです。 下肢静脈瘤は自然に治ることはありません。少しでも気になったら、重症化する前に専門医を受診して適切な治療を受けましょう。

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