下肢静脈瘤の基礎知識

足の静脈がデコボコしているのは【下肢静脈瘤】が原因!?硬化療法と保険適用

2018.06.20
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医療法人見宜堂 梅田血管外科クリニック -大阪市北区 梅田駅 徒歩6分- 医師 古林 圭一

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日本脈管学会脈管専門医
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腹部大動脈瘤ステントグラフト指導医
胸部大動脈瘤ステントグラフト実施医
血管内レーザー焼灼術実施医・指導医

下肢静脈瘤ってなに?

下肢静脈瘤というのは、足に流れる静脈に血が溜まってふくれる病気です。静脈内には血液の逆流を防ぐための弁がありますが、これが何らかの理由で不具合を起こすと、もともと溜まるはずがない足の部分に血液が溜まります。外観的には足の表面にボコボコとコブが見られます。

症状としては足のだるさ、重み、痛みを覚え、激しいむくみも起こります。生命の危険にかかわるような病気ではありませんが、見た目の悪さから精神的に激しいストレスを感じる方もいらっしゃいます。また、放置していても改善はされず、悪化するケースもあり、時には潰瘍等の重篤な症状へと発展する可能性もあるので気付いたら放置せずに医療機関を受診しましょう。

 

下肢静脈瘤の治療法【硬化療法】について

下肢静脈瘤の治療

下肢静脈瘤の治療には、以下のような方法があります。

硬化療法の詳細

硬化療法は皮膚を切開したりすることがなく、注射のみで済む治療方法です。

下肢静脈瘤にもいくつかのタイプがありますが、クモの巣状静脈瘤、陰部静脈瘤の比較的軽度な場合にはこの硬化療法が適しています。太い静脈の場合や、静脈瘤が大きい場合はこの方法は向いていません。

 

フォーム硬化療法と下肢静脈瘤

特殊な機器を使用してお薬を泡状(フォーム)にして注入していく方法です。従来の液体状の硬化療法では、薬剤が血液中を流れて移動してしまうため、直接的に効果を発揮することが難しかったのですが、泡状にすることで薬剤が血液中に定着しやすくなり効果が高まりました。また、皮膚への刺激も軽減されたので、治療後にしみなどが現れるリスクが減りました。注射をしていただいたら、最低でも10日間は弾性ストッキングを着用していただき患部を圧迫していきます。この圧が、ゆるいとしこりが残る原因となります。注射後は3日間は入浴以外の24時間、ストッキングを着用していただきます。

注射当日は、お風呂はシャワーのみ可能です。翌日以降は入浴可能となります。また、注射当日のお車の運転は交通事故防止の観点からご遠慮いただくことが望ましいです。特別な運動制限などなありませんが、しこりになった部分は直接マッサージなどはできません。ごくまれに注射した部分の血管がシミになる場合がありますので、シミになってもいいからボコボコの血管を治したいという方にオススメの治療法となります。

 

硬化療法にかかる費用と保険適用

硬化療法は保険診療が適用される治療です。フォーム硬化療法の医療費総額はおおむね1.5万円から3万円弱で、保険診療の場合治療を受ける方が支払う額は医療費の総額の3割ですから、5千円から9千円程度が目安と思ってください。

 

硬化療法の治療と副作用について

硬化療法は安全性が確認された上で保険適用されている治療方法ですから、小さめの静脈瘤に使用している限りは、重篤な副作用が起こることはありません。起こるとすれば、色素が沈着する、または静脈のかたまりが血栓として残るというようなものです。これらの多くは数週間から半年程度であまり気にならない程度におさまります。長くかかったケースで、完全に消滅するまで1年程度の期間を要したという報告例があります。

ただし、大きな下肢静脈瘤への使用は避けた方が賢明です。上記の副作用がより顕著に表れることがあり、炎症を起こすこともあります。また、非常に稀な例ですが、肺に血栓が移動し肺塞栓症をおこす可能性があります。

 

 

硬化療法の治療後の注意点とは

硬化療法を行った後は、できるだけ患部に負荷をかけないことを心がけ、安静に過ごしましょう。生活上の具体的注意が何点かありますので以下にまとめます。

 

  • 入浴について

硬化療法の治療を行った当日は入浴を避けましょう。2日目以降は通常通りの入浴をして問題ありません。

  • 同じ姿勢を長時間続けない

仕事などの都合もあるかとは思いますが、長時間立ちっぱなしでいたり、座ったままのデスクワークなどで、同じ姿勢を続けることは静脈に負荷をかけます。それによって静脈瘤が進行し、再度悪化することもあり得ます。

  • 激しい運動、過度の労働を避ける

短時間の家事などは問題ありませんが、激しい労働を避けましょう。患部に負担をかけないことが重要です。

弾性ストッキングは静脈瘤を予防する効果があります。これは足先に圧力をかけ、血液が留まるのを防止することで血流を良くします。
治療終了から1カ月程度は着用していただきますが、その後も使用することを推奨します。状態が改善された後もレッグウォーマーや5本指ソックスなどを常用することで、防止効果を期待できます。

  • 足を高くして寝る

睡眠時に足の下に座布団や毛布を敷くことによって、仰向けになった状態で足が心臓より高い位置にくるようにしましょう。これによって足に血液が留まりにくくなります。ただしあまり極端に上げると別の不調を産む場合がありますので、心臓より少し上、という程度にしてください。実行に当たっては医師の指導を受けることを推奨します。

  • 清潔を保つ

下肢静脈瘤ができている時は、皮膚の表面に炎症が起こりやすくなり、かゆみを伴うことがあります。悪化を防ぐためには、足全体を清潔に保ちましょう。かゆくなってもかきむしらないように注意しましょう。皮膚に傷をつけると潰瘍ができたり、色素沈着がおこったりします。

  • 妊娠中の注意

妊娠中は特に下肢静脈瘤になりやすい状態と言えます。妊娠によるホルモンバランスの変化で静脈の中の弁が正常に働きにくくなるためです。安定期に入ってからは、ウォーキングなどの適度な運動を行なったり入浴後にマッサージをしたりして、血液の流れを良好にすることに努め、下肢静脈瘤を予防しましょう。ただし、妊娠中の運動量は担当医に相談しながらコントロールするようにしてください。
もし妊娠中に下肢静脈瘤にかかってしまった時は、治療は出産を終えてから行うことをお勧めします。産後には崩れていたホルモンバランスが整う方向に向かいますから、自然に治癒することもありますし、治療の効果も得やすいからです。

 

まとめ

下肢静脈瘤はだるさや不快なかゆみ、時には痛みも伴います。また、比較的女性に多い症状であるだけに、見た目が悪くなることから、服装が限られてしまうというのも大きなストレスの原因です。
しかし、近年は治療の選択肢も増えましたし、硬化療法もフォームを使うことで更に症状が改善しやすくなりました。また、硬化療法は保険も適用されるので比較的リーズナブルに治療が受けられます。これらを踏まえて、下肢静脈瘤かな、と思ったら早めに専門性がある病院に掛かることをお勧めします。

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