下肢静脈瘤の基礎知識

足の血管が見える、浮き出る【下肢静脈瘤】という病気についての治療や予防法

2018.06.20
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医療法人見宜堂 梅田血管外科クリニック -大阪市北区 梅田駅 徒歩6分- 医師 古林 圭一

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梅田血管外科クリニック

【経歴】
日本脈管学会脈管専門医
日本循環器学会専門医
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腹部大動脈瘤ステントグラフト指導医
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血管内レーザー焼灼術実施医・指導医

足の血管が浮き出て見える下肢静脈瘤という病気

下肢静脈瘤とは何でしょう? それは足の静脈にできる病気です。特徴としては以下のような症状が見られます。

  • 血管が浮かび上がっている
  • 以前より毛細血管がくっきり見える
  • 足の血管がボコボコと立体的に浮いている

また、体感的には足のだるさ、かゆみ、痛みを覚え、むくみも起こります。

 

足の血管が浮き出る原因について

下肢静脈瘤は何故起きるのでしょうか? そもそも「静脈」とは、心臓から送り出される血液が通る「動脈」に対して、心臓に血液が帰るための血管です。ですから足に送られた血液は、重力の働きとは逆に上に向かって静脈を流れなければなりません。この動きをスムーズにするために、静脈には逆流を防ぐための弁があります。

しかし、この弁が何らかの理由で働かなくなると、血液が心臓に戻りにくくなり重力に負けて、足に停滞しがちになります。通常の状態以上に足に血液が溜まってしまうと血管が拡張して浮かび上がって見えます。これが静脈瘤発生までの流れです。

 

下肢静脈瘤の種類

下肢静脈瘤には以下のような種類があります。

比較的細めの欠陥が浮かび上がってくる


太い血管が浮いてくる症状

 

 

クモの巣状静脈瘤


クモの巣状静脈瘤は太さ1mmより細い毛細血管に逆流した血液が滞留することによって、皮膚の表面に浮かび上がって見えるものです。細い血管がクモの巣を連想させることからこのような名称がつけられています。この静脈瘤には以下のような特徴があります。

  • 血管が赤く浮き上がって見える
  • ひざの内側か太ももの外側の血管が浮き出る
  • 中高年女性に多い
  • 足がむくみやすくなる
  • 軽いピリピリとした痛みを感じる
  • 初期には患部が発熱することもある

クモの巣状静脈瘤の治療について

クモの巣状静脈瘤に対しては、硬化療法かレーザー照射が多く用いられます。

 

硬化療法

硬化剤を患部に直接注入し、静脈を硬化させる治療方法です。硬化した静脈は早ければ6カ月程度、長くても一年くらいで周囲の組織に吸収されて消えてしまいます。1回の治療は10分前後で終了し、切開などを伴うことも無いので、負担が少ないことが特徴です。

ただし何度かに分けて治療を行うこと、保存療法と呼ばれる治療と併用することが一般的です。この方法のメリット・デメリットをまとめましょう。

硬化療法のメリット
  • 麻酔を使わない
  • 日帰りで治療できて、短時間で終わる
  • 保険が適用されるので治療費が高額にならない
  • 術後の傷跡が残りにくい
  • 身体的負担が少ない
  • 状態によっては両足を同日に治療できる
硬化療法のデメリット
  • 硬化剤を注入した付近に色素沈着が起きる場合がある
  • 治療後の一定期間、しこりやコブが残るケースがある
  • 静脈瘤が大きい場合、再発の可能性が高い
  • 硬化剤を注入した部分に再度の治療を行うことは難しい

 

 

レーザー照射

体外からレーザーを照射する方法は、クモの巣状静脈瘤、網目状静脈瘤の治療に向いています。

レーザー照射のメリット
  • 毛細血管に発症する静脈瘤の治療に有効
  • 治療後に色素沈着する可能性が非常に低い
  • 切開の必要がなく、治療による身体的負担が少ない
  • 治療期間が短い(おおむね一時間以下)

 

血管内治療

血管の内部からレーザーを照射するためにレーザーファイバーを患部に差し込んで、内部からレーザー治療を行う方法です。

血管内治療のメリット
  • 太い血管に発生する伏在静脈瘤や側枝静脈瘤の治療に有効
  • 身体への傷が非常に小さなもので済む
  • 治療時間が短い(おおむね40分程度)
  • 再発の可能性が低い

 

 

網目状静脈瘤

網目状静脈瘤は、2mmから3mm程度の静脈に発生し、場所としては膝の裏に多く見られます。クモの巣状静脈瘤よりはやや太い血管に出ることが多いことが特徴です。症状としては、クモの巣状静脈瘤と同様で、だるさ、かゆみ、痛み、むくみなどが上げられます。

治療の方向性として、硬化療法、レーザー照射の2種類と並行して、弾性ストッキングを使用する保存療法も用いられます。ただし、保存療法は状態を悪化させないためのもので根本治癒は難しいのが実情です。完全な治癒を求める場合は硬化療法かレーザー照射を行いましょう。

 

 

足の血管は血管外科へ

下肢静脈瘤は症状としてだるさやむくみなどがあることから、内科を受診される方が多いかもしれません。外観の悪さがありますから、皮膚科を訪問される方もおられるでしょう。しかし、あまり知られていないかもしれませんが、この病気に最適なのは「血管外科」という診療科です。

下肢静脈瘤は放置しても重篤な症状になりにくいことから、相談する病院によっては「様子を見ましょう」と言われるだけ、ということも考えられます。しかし血管外科であれば、専門性が高くこの病気への対応例も多いので、状態に見合った治療を受けることができます。

 

 

まとめ

下肢静脈瘤という病気について理解を深めていただけたことと思います。だるさや痛みに加えて外観の悪さもありますから、これに掛かっている方は日々の生活にストレスをお持ちだと思います。立ち仕事やデスワークで座ったまま何時間も過ごさなければならない、などの生活上の必要性から起こっていることも多く、放置していても改善は望めません。できるだけ早い時期に「血管外科」へ受診されることをお勧めします。

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