下肢静脈瘤の治療

血管内カテーテル治療
(下肢静脈瘤血管内焼灼術)

LSO1470カテーテル治療

下肢静脈瘤の治療レーザーによる血管内焼灼術治療は、従来の下肢静脈瘤治療で行われてきたストリッピング手術や硬化療法による治療に比べ様々な利点があります。
980nm波長レーザーによる血管内焼灼術が2011年に厚労省の承認を受け、保険適用になってからは、こうしたレーザー治療が下肢静脈瘤治療の主流になってきています。
当クリニックでは、2013年9月開院等当初からレーザーによる治療を中心に行ってきており、2016年7月までに2115例施行しました。
2014年5月からは1470nm波長レーザーによる治療も保険収載として厚労省から認可されています。

2015年10月からLSO1470nmカテーテル治療器も保険適応されています。

伏在静脈本幹の拡張や蛇行が著しい場合には、伏在静脈本幹を引き抜く必要がありますが、そうでない場合にはレーザー焼灼で治療可能です。

レーザーカテーテル治療の利点

  • カテーテル治療は、ご高齢な方、小さなキズでも気になる方におすすめできる治療法です。
  • 手術の所要時間が短いため、鎮静剤の量を少なく抑えることができます。
  • カテーテル治療では血管の内側から伏在静脈の根元に到達し、治療を行います。そのため、伏在静脈の根元が筋肉の奥に存在しても問題なく処理することが可能です。
  • 通常の手術では、血液をさらさらにするワーファリンなどの薬を服用している場合、出血の可能性がありますが、カテーテル治療では安全かつ有効性に影響なく治療できます。
  • 細いファイバーを挿入して治療するため、傷口が目立たず、治癒も比較的早くなります。

レーザーカテーテル治療の方法

膝の内側かふくらはぎから細いレーザーファイバーを挿入して、伏在静脈本幹を焼灼します。
この焼灼により、血管の内側が炭化して血液が通らなくなり、問題のある血管のみをなくします。

優れた治療効果

レーザーの熱は直接静脈壁に作用し、また周囲の血液から伝わる熱である「steam bubble」によって間接的に静脈壁に作用するため、静脈壁に伏在静脈根元から適切なエネルギーを作用させることができ、より高い治療効果を発揮します。

危険性あるいは合併症

焼灼部位の皮膚に色素沈着や引き攣れができる場合がありますが、時間経過と共に自然と消えていきます。

レーザーカテーテル治療 手術の流れ

1手術当日

超音波検査で手術部位をしっかり確認します。

2手術室へ

手術室に入り、点滴の準備や、心電図と血圧などのモニターを装着します。

3手術開始

鎮静剤を注射し、局所麻酔を行って手術開始です。少し眠いぼーっとした状態になりますが、眠ってしまう方もいらっしゃいます。

4手術〜ご帰宅

レーザー焼灼と同時に下腿にある目立つ瘤を切除します。手術所要時間は約30分が目安です。
手術終了後、リカバリールームで15分ほど休んでいただき、その後、ご帰宅となります。

5術後について

1週間以内に超音波検査を行い、傷口のチェックを行います。

手術後の入浴とシャワー

手術当日は入浴とシャワー禁止です。翌日からはシャワーは可能です。入浴は手術後1週間を過ぎてから可能になります。

※症例によっては、翌日から入浴できる場合もあります。

費用

※健康保険適用です。

3割 約43,000円
1割 約14,000円

下肢静脈瘤高周波カテーテル治療
(ラジオ波による血管内焼灼術)

ラジオ波(高周波)とは電磁波の一種であり、医療分野では電気メスなどで昔から用いられてきています。肝臓がんや乳がんの治療では300kHzから6MHzという高周波を使うことで100℃前後の熱を発生させ、腫瘍の焼灼に用いられています。
2014年6月に保険収載された下肢静脈瘤治療のための高周波カテーテル治療機器は、460kHz の高周波電流を先端の金属コイルに流し、120℃の熱変性を接触した静脈壁に加えることで治療するものです。現在当院で、最も実施されている治療法です。

高周波カテーテル治療の利点

  • 高周波カテーテル治療は、体の負担の少ない血管内治療です。
  • 傷口はカテーテルを挿入するための小さな開口部のみです。
  • ご高齢の方や血液をサラサラにする薬を服用中の方でも実施可能です。
  • 局所麻酔でカテーテルを挿入し、焼灼を開始します。焼灼の温度と出力を継続的にモニタリングするため、最適な焼灼が可能となります。よって、出血、疼痛、神経障害等の合併症の非常に少ない治療となっています。
  • 下肢静脈瘤の治療として、欧米でもっとも多く実施されている治療法の一つです。

下肢静脈瘤高周波カテーテル治療の方法

膝の内側かふくらはぎから細いカテーテルを挿入して、伏在静脈本幹を焼灼します。
この焼灼により、血管の内側が炭化して血液が通らなくなり、問題のある血管のみをなくします。

優れた治療効果

カテーテル先端が伏在静脈根元から適切な高周波を発することで直接静脈壁に作用し、優れた治療効果を発揮します。

危険性あるいは合併症

色素沈着ができる場合がありますが、自然と消えていきます。

下肢静脈瘤高周波カテーテル治療手術の流れ

1手術当日

超音波検査で手術部位をしっかり確認します。

2手術室へ

手術室に入り、点滴の準備や、心電図と血圧などのモニターを装着します。

3手術開始

鎮静剤を注射し、局所麻酔を行って手術開始です。少し眠いぼーっとした状態になりますが、眠ってしまう方もいらっしゃいます。

4手術〜ご帰宅

高周波焼灼と同時に下腿にある目立つ瘤を切除します。手術所要時間は約30分が目安です。
手術終了後、リカバリールームで15分ほど休んでいただき、その後、ご帰宅となります。

5術後について

1週間以内に超音波検査を行い、傷口のチェックを行います。

手術後の入浴とシャワー

手術当日は入浴とシャワー禁止です。翌日からはシャワーは可能です。入浴は手術後1週間を過ぎてから可能になります。

※症例によっては、翌日から入浴できる場合もあります。

費用

※健康保険適用です。

3割 約43,000円
1割 約14,000円

硬化療法とは

硬化療法は下肢静脈瘤の治療に多く用いられています。ただし、伏在静脈本幹の弁不全が顕著な場合、一時的な効果しか得られないため、カテーテル手術と併用されるケースが多くなります。

硬化療法の方法

硬化させる必要がある静脈に血管を固める硬化剤を注射して、弾性包帯で圧迫することで血管の内側を接着させ、患部の静脈を閉塞させる治療です。硬化し、完全に閉塞した静脈は徐々に小さくなっていき、最終的には組織に全て吸収され消えていきます。

フォーム硬化療法

泡状にした硬化剤を注射することで、より効果を高めた治療法です。
通常の硬化剤は液状ですので静脈内で血流によって急速に薄まり効果を失ってしまいますが、フォームは血管内皮への接触面積が大きく、接触時間が長いことから、薄まらず濃度を保つことができより効果が高まり、再発を起こしにくくします。

硬化療法の流れ

  1. 硬化治療は診察室で行う治療です。
  2. 治療部位を決めます。その際にインク等で皮膚へ印をつけることもあります。
  3. 治療は、部位により立った姿勢か寝た姿勢で行う必要があるため、医師の指示に従います。
  4. 治療部位を消毒し、細い注射針を静脈に射し、最初に生理食塩水を注入します。
  5. その後、硬化剤を注入して注射針を抜き、治療部位にソフトな棒状の枕をあてがい、包帯をきつく巻きます。
  6. 医師から指示された時間が経過するまで包帯を巻いたままにします。包帯を外したら日中のみ弾性ストッキングを着用します。弾性ストッキング着用期間も医師の指示があります。
硬化治療でご来院される際のご注意

硬化療法を受けた後は、包帯をしっかり巻きますので、ゆとりのあるズボンや長めのスカートを着用してご来院ください。また、靴に関しては、高いヒールの靴やサンダル、ブーツなどを避けてください。

危険性あるいは合併症

しこりや色素沈着の可能性があります。 硬化剤を注入した部分にしこりができることがあり、治療後2〜3週目頃に最も目立ちますが、その後徐々に小さくなっていきます。また、硬化療法を行った部分の血管に沿った場所が茶褐色になることもありますが、こちらも徐々に薄くなり、消えていきます。

費用

※健康保険適用です。

3割 約14,000円
1割 約4,600円

ストリッピング治療方法とは

大伏在静脈本幹の弁不全が顕著な症例に対して、その弁不全を起している静脈を抜き去るのがストリッピング術であり、 下肢静脈瘤の根本的な治療法として従来から行われてきました。

鎮静剤と局所麻酔を用いた手術です。脚の付け根を2cmほど切開し、大伏在静脈を根元で切断し、根元周囲にある枝分かれの処置を行います。さらに、膝の内側を1cmほど切開してストリッピングワイヤーを通し、脚の付け根までの大伏在静脈を抜き去るという2段階で手術を進めます。

危険性あるいは合併症

出血や神経障害が考えられます。

ストリッピング治療手術の流れ

1手術当日

超音波検査で手術部位をしっかり確認します。

2手術室へ

手術室に入り、点滴の準備や、心電図と血圧などのモニターを装着します。

3手術開始

鎮静剤を注射し、局所麻酔を行って手術開始です。少し眠いぼーっとした状態になりますが、眠ってしまう方もいらっしゃいます。

4手術〜ご帰宅

手術所要時間は約40分が目安です。
手術終了後、リカバリールームで30分ほど休んでいただき、その後、ご帰宅となります。

5術後について

1週間以内に超音波検査を行い、傷口のチェックを行います。

手術後の入浴とシャワー

手術当日は入浴とシャワー禁止です。翌日の診療で問題がなければ、シャワーは可能です。入浴は手術後1週間を過ぎてから可能になります。

費用

※健康保険適用です。

3割 約43,000円
1割 約14,000円

弾性ストッキング

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